-衛生管理者業務を外注できる場合があります-
常時使用する労働者数50人以上の事業場では、労働者数に応じ一定数の衛生管理者を選任しなければなりません。
衛生管理者は原則として、その事業場に専属である必要があります。
しかし、一定の条件を満たす場合、非専属の衛生管理者を選任できるケースがあります。
労働衛生コンサルト事務所のHPなどで請負業務の中に「2人目(以降)の衛生管理者」と記載されることがありますが、まさにこれです。
ここでは、大まかな理解を優先させるために、早速具体例で見てみます。
衛生管理者の選任全般については厚労省HPに詳細な説明がありますので、そちらもご参照ください。
まずは、図1のような常時使用する労働者数501〜1000人の事業場を考えます。
この規模の事業場は衛生管理者を3人選任する義務があります。2通りの選任ケースを例示しました。

通常はケース1のように事業場内の衛生管理者免許を有する者から専属の衛生管理者を選任しているケースが多いかと思われます。
衛生管理者に選任することのできる資格者は業種にもよりますが様々あり、1種、2種の衛生管理者免許(保健師、薬剤師免許を有する者を含む)のほか、衛生工学衛生管理者、医師、歯科医師などがあります。
そして、労働衛生コンサルタントを衛生管理者に選任することも可能です。
その場合、労働衛生コンサルタントのうち1人については非専属とすることができます。
図1のケース2の例では選任する衛生管理者の中に労働衛生コンサルタント2人が含まれています。したがって2人の労働衛生コンサルタントのうち1人については事業場に非専属とすることが可能です。
では、これによりどのようなメリットがあるのでしょうか。図2で見てみましょう。
図2のような水産加工会社(架空)を例に考えます。
どの事業場も3人の衛生管理者を選任する義務があります。右側に衛生管理者の選任例を挙げました。
労働衛生コンサルタント資格を有する者が社内に2人おり、衛生管理者として選任されるとします。

この場合、A氏だけは非専属とすることができます。よって、A氏は岐阜工場と大阪営業所の衛生管理者を兼任することが可能です。
岐阜工場のB氏は岐阜工場に専属とする必要があります。
さて、図2の非専属の労働衛生コンサルタントですが、実は福井水産加工社内の人材である必要はありません。
つまり、A氏の代わりに社外の労働衛生コンサルタント事務所に衛生管理者業務を依頼することもできるのです。
例えば、工場の規模拡大に伴い急遽、衛生管理者を追加で1人選任する必要が出た場合などは、この外注が活用しやすいかもしれません。
貴社も「2人目の衛生管理者」いかがでしょうか。
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