福井労働衛生コンサルタント・産業医事務所


保護具着用管理責任者には誰がなることができるのか


〜講習受講以外で代用できる資格と選任時の注意点〜

保護具着用管理責任者の選任が必要な事業場

令和6年4月より職場の化学物質管理が自律的手法へと大きく変わりました。

これにより、リスクアセスメントの結果に基づく措置として、労働衛生保護具を使用する場合は保護具着用管理責任者を選任し、有効な保護具の選定、保護具の保守管理その他を担当させなければなりません。(労働安全衛生規則第12条の6)

資格条件

・化学物質管理専門家の要件に該当する者

・作業環境管理専門家の要件に該当する者

・労動衛生コンサルタント試験に合格した者

・第1種衛生管理者免許又は衛生工学衛生管理者免許を受けた者

・作業主任者の資格を有する者

・安全衛生推進者養成講習修了者

・上記の資格を有しない場合は6時間の講習を受講した者(ただし上記の資格者であっても講習受講を推奨)

令和4年5月31日付け基発0531第9号

第三管理区分に判定された場合の注意点

作業主任者と保護具着用管理責任者の兼任は可能とされています。しかし、一部例外があるため注意が必要です。

状況を複雑にしている点として、有機溶剤中毒予防規則や特定化学物質障害予防規則といった特別規則による規制も依然として生きていることがあげられます。

つまり現在は、職場の化学物質管理は自律的化学物質体制に移行し、規制対象物質が格段に増えたのと同時に、従来からの特別規則規制対象物質は引き続き特別則による規制も受けている状況です。

新たな法体系においてはこの従来からの特別規則の規制を強化するような規定も設けられています。

その一つが、作業環境測定の結果、第三管理区分と評価された場所についての規定です。

法令改正により、作業環境測定の結果第三管理区分に判定された場合、作業環境管理専門家の意見を聞かなければならなくなりました。

そして作業環境管理専門家が改善困難と判断した場合や、改善が可能と判断され必要な措置を講じた効果を確認するための濃度測定の結果引き続き第三管理区分であった場合に呼吸用保護具を使用することとなったときは作業主任者と保護具着用管理責任者を兼任することができません

これは保護具着用管理責任者の職務に、作業主任者に対する指導が含まれているというのが理由のようです。

と、ここまで書いたところで厚労省の職場のあんぜんサイトに分かりやすい説明を発見しました。専門家が疑問に思うような細かな点も記載されています。

また、保護具着用管理責任者の業務を行うにあたって非常に参考になるのが厚労省が作成している皮膚障害等防止用保護具の選定マニュアル(第2版)です。ご活用ください。


    error: Content is protected !!
    PAGE TOP