〜作業環境測定士であって、一定の講習を修了したものまたはこれと同等以上の能力を有する者でなければ測定できなくなります〜
更新日:2025年12月31日
先日、個人ばく露測定講習を受講してきました。
企業における化学物質の自律的管理体制が始まり1年以上が経過しました。
現在でも必要な法改正が進められています。
その一環として、令和8年10月1日以降は、リスクアセスメント対象物質に関して、リスクアセスメントのために実施する個人ばく露測定(濃度基準値設定物質の確認測定を含む)を行うことのできる者は、一定の講習を修了した作業環境測定士などに限られる、こととなりました。
測定の精度管理の必要性から資格要件が定められました
制度設計当初から第3管理区分の作業場での呼吸用保護具選定のための測定や国による濃度基準値設定物質の確認測定に関して、個人ばく露測定の測定精度を担保するために測定者には一定の資格要件を課すべきであるという議論がなされていました。
結果、令和8年10月1日からは以下の個人ばく露測定に関して、作業環境測定士であって、都道府県労働局長の登録を受けた者が行うデザイン及びサンプリングに関する講習を修了したもの又はこれと同等以上の能力を有する者に行わせなければならないこととなります。
①労働安全衛生法第65条に規定される作業環境測定で第三管理区分となった作業場において作業環境管理の専門家が改善困難と判断した場合又は改善策を実施してもなお第三管理区分に区分された場合に行う、呼吸用保護具選定のための測定
②金属アーク溶接等作業を行う労働者の適切な呼吸用保護具を選定するための測定
③濃度基準値設定化学物質の確認測定を含むリスクアセスメントのための測定
の3つです。
③に関しては、濃度基準値が設定されていない物質についても対象となることに注意が必要です。
つまり、濃度基準値が設定されていないリスクアセスメント対象物質であっても令和8年10月以降はリスクアセスメントとしての個人ばく露測定を実施する場合には資格要件を満たした者でなければ測定できないことになります。
個人ばく露測定講習にはデザイン及びサンプリングに関する講習とサンプリングに関する講習があります
個人ばく露測定講習には2種類あります。
デザイン及びサンプリングに関する講習とサンプリングに関する講習です。
後者はサンプリングのみ実施可能な、いわば「限定資格」のようなものです。
なぜ2種類存在するのでしょうか。
従来からの作業環境測定(A, B測定など)と同様、個人ばく露測定も作業環境測定機関に依頼する事業場が多いかと思われます。
依頼を受けて作業環境測定機関では、個人ばく露測定講習(デザイン及びサンプリングに関する測定)を修了した作業環境測定士が測定のデザインから有害物質を含む空気の採取までを行うわけです。
ですが、従来からの作業環境測定に比べ、個人ばく露測定は測定時間が長時間に及ぶため測定士の拘束時間も長くなり測定機関のマンパワー不足や経済コストが大幅に増加することが危惧されます。
そのような課題解決のため、デザイン(と場合によってはサンプリングへの立ち合いの一部)を測定機関が実施し、サンプリングへの立ち合い時間の大半を事業場所属の資格者が実施する、というハイブリッドでの測定が想定されているようです。サンプリング講習修了者がデザイン等講習修了者の指示を受けて補助を行うという形です。
なお、サンプリングに関する講習は作業環境測定士以外でも受講可能で、講習も通常1日で終わるようです。